高配当株を調べ始めた人が、ほぼ確実に出会う銘柄のひとつ。
それが「JT(日本たばこ産業/2914)」です。
たばこ産業というと敬遠されがちですが、配当利回りは安定して高く、株主還元も積極的。
私自身、「不労所得ってこういうことか…」と実感した最初の銘柄がJTでした。
今回は、長期保有前提での視点から、JTという銘柄の魅力と注意点をまとめます。
銘柄選定理由:配当利回りと実績の安心感
私がJTを保有することにした主な理由は以下のとおりです。
- ① 高水準の配当利回り
-
JTは数ある日本株の中でも、常に上位の利回りを維持しています。
本記事執筆時点(2025.06.03)での直近5年は、利回りは4〜7%をキープしています。クルエイチ
“インカム目的の投資”において非常に優秀です。
- ② 減配からの回復実績
-
2021年に1株当たり154⇒140円の減配がありました。
しかしその後、配当方針として目安となる数値を明示し、翌年には再び増配へ転じています。
減配した企業が“すぐに戻してくる”ケースは実は貴重で、株主還元の姿勢が明確だと感じました。 - ③ たばこ以外の事業も展開
-
食品(JTの子会社であるテーブルマーク社)、医薬など、非たばこ分野も一定の売上を持っています。
完全な一業種依存ではありません。
もちろん本業のたばこが中心ですが、事業多角化の姿勢も評価ポイントのひとつです。
配当:「配当ありき」で保有する銘柄
JTの株を買う理由…それはほぼ間違いなく「配当目的」だと思います。
- 年2回(6月・12月)で配当を実施
- ここ数年は1株当たり150円前後は確実の安定配当、増配傾向で200円も射程圏内
- 配当性向も無理がなく、営業利益・キャッシュフローから見ても余力あり
また、新NISAとの相性が非常に良いのもポイント。
非課税で配当をそのまま受け取れるのは、JTのような高配当株を長期で保有する大きなメリットになります。
事業


将来性:急成長はないが継続性は高い
JTの将来性を語る際に意識すべきなのは、「成長性」ではなく「継続性」です。
- 日本のたばこ市場は縮小傾向ですが、海外売上比率はすでに6割以上
- 特に新興国では成長余地があり、成長可能性があるマーケットを押さえている
- 喫煙率減少への対応として、加熱式たばこ(Ploomシリーズ)にも注力
成長産業とは言えませんが、収益基盤は太く、ブランド力と販売網の強さで”しぶとく稼ぐ”企業だと言えます。
「急に消えるような企業ではない」という意味で、長期投資には向いています。
懸念点:ESGと規制リスク
もちろんJTにもリスクはあります。
特に次の2点は長期保有でも意識しておくべきです。
- ① 喫煙率の低下と社会的風当たり
-
たばこ事業はESG投資1から除外されがちで、世界的に逆風状態です。
すぐに消える業界ではないものの、構造的に“縮小方向”であることは否定できません。 - ② 規制リスク
-
たばこ税や販売規制など、政治的な要因で収益が圧迫される可能性があります。
特に日本市場では、新たな規制の導入によって収益が鈍る懸念は常にあります。
保有方針:生活防衛的にずっと持つ
私はJTを「守りの配当株」としてNISA口座で100株保有中です。
価格の上下に一喜一憂せず、“自分年金”のひとつとして扱い、静かに持ち続けるつもりです。
- 暴落局面でも配当があれば気持ちが安定
- 価格が大きく下がれば買い増しを検討
- 大きく上がっても、売らずに配当を楽しむ



「売る前提ではなく、持ち続けることに意味がある」タイプの銘柄だと感じています。
結論:JTは「減らないお金」が好きな人向け
JTは、値上がり益で一発狙いたい人には向きません。
でも、資産の一部を“静かに育てる”のが好きな人にはとても相性がいい銘柄です。
配当生活の基盤を作るうえで、「とりあえず1単元だけでも入れておいて損はない」という安心感があるのがJTです。
- 安定的な高配当が魅力。新NISAとの相性も抜群
- 喫煙率低下・ESGリスクなど課題はあるが、収益力は依然強い
- 「株価が動かなくても意味がある」長期投資にふさわしい銘柄
注釈など
- 環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の3つの要素を考慮した投資活動のこと。 ↩︎
コメント