INPEX(1605)|“攻めのインカム株”をどう見るか?

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INPEX(1605)は高配当と資源価格連動型の魅力が特徴。選定理由・将来性・リスクを長期投資家目線でわかりやすく解説。

INPEX(1605)は、日本最大の石油・天然ガス開発企業であり、エネルギーセクターを代表する高配当株として注目されています。
原油・天然ガス価格の変動に影響を受けやすいという特性を持ちながらも、資源価格が高止まりする局面では大きな収益を上げ、株主還元にも積極的な姿勢を見せています。

この記事では、INPEXを選んだ理由、配当の魅力、エネルギー業界の将来性や懸念点、今後の保有戦略まで、長期投資家の目線から詳しく解説します。

目次

選定理由:高利回りと業績連動のダイナミズム

一旦下落後に再上昇するグラフ

INPEXを選定した理由は、高水準の配当利回りと、資源価格に連動した業績回復力の高さにあります。
資源価格の上下に左右される景気敏感株である一方、原油や天然ガスの価格が上昇すると、驚くほどのスピードで収益が改善し、株主還元に跳ね返ってくるという特性を持っています。

特に2022年以降の資源高では、INPEXの収益は大きく改善し、増配や自社株買いといった株主還元策も積極的に打ち出されました。
このような“業績連動型高配当”は、景気に合わせて柔軟に資金を活用したい投資家にとって非常に魅力的です。

また、日本企業で唯一の本格的な石油・ガス開発会社というポジションにあり、国家のエネルギー政策との連携も強いため、中長期的な需要の安定感も期待できる点が選定理由となりました

配当:水準・継続性・還元姿勢に注目

安定した棒グラフ

INPEXの配当の魅力は、高水準かつ業績連動でメリハリのある還元スタイルあります。
2025年時点で直近の配当利回りは4%〜6%前後で、日本株の中でもトップクラスの水準です。
同じく2025年時点では、5期連続となる増配が発表されました。

さらに注目すべきは、配当性向ではなく「DOE(株主資本配当率)」を基準にしている点です。
これは株価や一時的な利益に左右されにくい指標であり、「安定的な還元を重視している」姿勢の表れと言えます。
また、同時に自社株買いを実施した年もありました。

資源株にありがちな“配当乱高下”の印象はありますが、INPEXは資源バブルに踊るのではなく、財務の健全性を維持しながら段階的に還元を強化している点が個人的に好印象です。

事業

将来性:LNGと再生可能エネルギーへのシフト

LNG船

INPEXの将来性は、化石燃料だけでなく、クリーンエネルギーへの投資とLNG(液化天然ガス)の安定供給力にあります。
世界的に脱炭素の流れが進む中、同社は石油依存からの脱却と再生可能エネルギーへのシフトを戦略的に進めています。

特に、アジア圏におけるLNG需要は今後も拡大が見込まれており、INPEXは既存の権益を活かして長期契約を結ぶなど、安定したキャッシュフロー源としてのLNGビジネスに強みを持っています。

また、CO₂地下貯留(CCS)や水素事業といった新エネルギー分野にも取り組み始めており、脱炭素時代においても「エネルギー供給者」としての役割を果たそうとしています。

エネルギー需要が消えることはなく、供給手段が変化する中でINPEXが主導権を握れるかどうかが、今後の成長のカギとなるでしょう。

懸念点:資源価格依存と地政学的リスク

ガス貯蔵施設

INPEXの最大のリスクは、事業収益が資源価格に大きく依存している点です。
原油や天然ガスの国際価格は、需給バランスだけでなく、地政学リスクや金融政策の影響など外的要因で大きく変動します。
そのため、資源価格の急騰・急落が、そのまま業績・配当などに大きな影響を与える可能性があります。

また、INPEXは中東・東南アジアなどの海外プロジェクトを抱えており、政情不安や為替リスク、資源国との交渉リスクも無視できません。

このように、事業構造的に「安定」よりも「変動」を前提とした銘柄であるため、保有に際しては一定のリスク許容度が必要です。

クルエイチ

ポートフォリオでの“スパイス枠”で考えています

今後の保有方針:高配当+資源サイクルの波を活かす

お金と葉っぱの成長

私はINPEXを、高配当狙いかつ景気循環を利用する戦略銘柄として位置づけています。
エネルギー価格が安定または上昇傾向にある局面では、業績・配当ともに強く、リターンの源泉となり得るため、今後も配当利回りを主な判断軸にしながら保有を継続していく予定です。

株価が大きく下がったタイミングでは、配当利回りがさらに高まる可能性があるため、“逆張りで買い増し、配当で回収する”戦略が有効だと考えています。
一方で、資源価格が大幅下落する局面では、状況を見て部分的な利確や保有比率の調整を行うことも視野に入れています。

今後の資源需給動向を注視しながら、“攻めと守りを両立できる配当株”として中長期で付き合っていきたい銘柄です。

結論

INPEX(1605)は、高配当・業績連動型のリターンを狙えるエネルギー株として、ポートフォリオに取り入れる価値のある銘柄です。
資源価格に左右されるリスクはあるものの、それを理解した上で付き合えば、市場全体が低調なときでも力強いキャッシュフローを生んでくれる可能性があります。

また、LNGや再生可能エネルギーなど、エネルギー転換期における存在感も期待でき、単なる「石油企業」としてではなく、“次世代のインフラ供給者”としての成長余地にも注目しています。

安定一辺倒では物足りないけれど、配当もリターンも狙いたい。
そんな欲張りな投資家にこそ、INPEXはちょうどいい選択肢になるかもしれません。

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