株券を保有している方なら、株主総会への出席案内が届いた経験がある方が多数でしょう。
キチンと株主総会に参加していますか?
株主総会は、その会社の今後の方針を決めるような、極めて重要な会議なんです!
株主総会
株式会社は株式を発行して資金を調達しますが、法的には会社の基本事項決定は株主総会で意思決定します。
つまり、資金を提供する株主が会社の運営方針を決めるのです。

実務的には取締役や代表取締役が行いますがね…
株式会社は財務諸表を作成し、活動成果を株主総会で報告しなければなりません。
株主総会とは


株主総会は、株主全員が構成する会議体の機関です。
定められた手続きで会議を開き、決議や報告が行われますが、例外的に会議を開かなくても良い場合もあります。
議決権を行使できる株主全員が書面または電磁的記録によって同意をした場合、その事項については株主総会の決議があったものとみなされます(会社法第319条第1項)。
可決ではなく決議です!
用語 | 意味 | 結果 |
---|---|---|
決議 | 議案を議論・投票して意思決定する手続 | 可決 or 否決がある |
可決 | 決議の結果、賛成多数で承認されたこと | 可決=承認 |
例:株主総会で議案Aの「取締役選任」について決議が行われたが、賛成が過半数に達せず可決されなかった。
株主総会の招集


株主総会には、定時総会と臨時総会の2種類があります。
定時総会 | 臨時総会 | |
---|---|---|
開催 | 毎決算期に1回 | 必要に応じて開催 |
内容 | その年度の成果確認のために開催 | 必要に応じて変わる |
- 招集
-
定時総会・臨時総会ともに、日時・場所・議題を取締役会が決定し、代表取締役が2週間前までに招集通知を出す必要があります。
- 決議
-
招集通知に掲げていない議題の決議は違法。
取締役会を置かない会社では、株主総会で決議できる事項は無限定。 - 株主総会の招集
-
議決権総数の3%以上を持つ少数株主は、取締役に株主総会の招集を請求できます。
拒否された場合は、裁判所の許可を得れば自分で株主総会を招集可能です。 - 議決権の行使
-
議決権総数の1%以上、または、300個以上の議決権(単元株制度の会社では300単元)を持つ株主は、提案権を行使して、議題を株主総会に追加させることが認められています。
議決権
1株1議決権の原則


株主総会において、株主の頭数ではなく投下した資本額に応じて議決権が与えられます。
ただし、会社が持つ自己株式には議決権がありません。
持合株式の抑制のため、次のような例外の制限があります。
一方の会社が議決権総数の4分の1以上を保持する場合、もう一方の会社の保有株には議決権がありません。
A社 | B社 | |
---|---|---|
発行株数 | 1億株 | 100株 |
保有株数 | B社株30株 | A社株500株 |
例えば上表のような場合を考えます。
B社の発行株100株のうち、A社は30株(4分の1以上)を保有しています。
そのため、B社はA社の株を持っているものの、その株に議決権はありません。
議決権の行使
株主総会には、株主本人が出席する必要は無く、代理人による議決権の行使が認められています。
また代理人を立てず、株主総会にも出席しない株主は、議決権行使書面(書面投票用紙)に賛否を記入して会社に送ることで決議に参加できます。
決議


決議には普通決議(通常決議)、特別決議、特殊決議の3種類があります。
- 普通決議
-
議決権総数の過半数を持つ株主の出席が必要(定足数1)。
その出席株主の議決権の過半数の賛成により成立。 - 特別決議
-
議決権総数の過半数を持つ株主の出席が必要(定足数)。
その出席株主の議決権の3分の2の賛成により成立。 - 特殊決議
-
議決権を行使できる株主の頭数で半数以上、かつ、議決権の3分の2以上の賛成で成立。
株主総会の決議内容は議事録に残す必要があり、その議事録は本店(10年)、支店(写しを5年)保管しなければなりません。
株主や会社債権者の請求があれば、開示する必要があります。
普通決議
株主総会の普通決議による決議事項には次のようなものがあります。
- 取締役・監査役・会計参与・会計監査人の選任
- 取締役・会計参与・会計監査人の解任
- 取締役の報酬2
- 計算書類の承認
特別決議
株主総会の特別決議による決議事項には次のようなものがあります。
- 監査役の解任
- 資本金額の減少
- 組織変更・合併・会社分割
- 定款変更・事業譲渡・解散・清算
- 株式併合・株式交換・株式移転・株式交付
- その他、会社の方針に関わる重要事項
特殊決議
株式譲渡の制限を定めた定款変更など、かなり特殊な決議の場合に用いられます。
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