株券を保有していれば、年に数回株主総会の案内が届ているのではないでしょうか?
そこでは取締役の選任・退任の決議が必ずあるはずですが、それ、適当に賛成していませんか?
株式会社における取締役というポストは極めて重要です。
特に長期保有する前提の会社の取締役は、必ず賛否を吟味しましょう!
取締役とは?

法的には、株式会社の基本事項は株主総会で意思決定します。
しかし実務的には取締役が担います。
必要人数 | 取締役会を置く会社は3人 取締役会を置かない会社は1人 |
任期 | 原則2年以内 公開会社でない場合は定款に定めれば10年以内まで |
欠員 | 株式会社には必ず1人以上の取締役が必要 そのため欠員時は、新取締役就任までの間退任取締役が職務続行 法廷数を欠ける場合であっても、監査役と取締役の兼任は不可 |
議決権または発行株式の3%以上(公開会社の場合6か月以上保持)を持つ少数株主は、裁判所に解任請求ができます。
選任・解任
取締役は、株主総会の普通決議で選任され、任期満了で退任します。
また、任期満了を待たずに株主総会の普通決議で解任することもできます。

株主総会の決議で取締役を選任・解任する際は、会社の未来(つまり今後の株価)に影響があることを踏まえて賛否を投票しましょう!
社長など執行部の独走を防いで適正な経営を保つために、公正な立場で執行部に直言する社外取締役を置くこともできます。
該当会社(子会社含む)の従業員や執行役だったり、過去10年以内に似た地位に就いた経験がある人は、公正な立場とは言えないため社外取締役になれません。
報酬


取締役の報酬は、定款または株主総会決議で定められます。
金額が確定しない報酬は算定方法を、金銭以外の報酬は具体的な内容を定めます。



株を持っていると稀に、株主総会の決議内容に取締役報酬の話が入っていることがあります。
適切かどうかよく確認して賛否を投票しましょう!
取締役の制限
取締役は、以下の場合に取引の重要事実を説明し、取締役会(未設置会社は株主総会)の承認を受けなければなりません。
- 会社の事業と同種の取引をする
- 競争会社の代表者として取引をする
- 取締役が会社と取引をする
- 取締役の債務を会社が保証する
- etc…
役員の責任
取締役など役員が会社に損害を与えた時は、その賠償責任を負います。
責任免除には、原則として株主全員の同意が必要です。
会社に対する賠償責任を、一定限度で頭打ちにする方法があります。
- 責任発生後、株主総会の特別決議で軽減する。
- 定款に予め定めておき、責任発生後に取締役会の決議で軽減する。
- 報酬2年分で頭打ちできる役員は、定款に基づき責任軽減の契約を結べる。
取締役会


取締役会とは、全ての取締役で組織する会議体の機関です。
任意設置機関ですが、取締役会設置会社は多くあります。
- 取締役会設置会社の業務執行の決定
- 代表取締役の選定・解職
- 取締役の職務の執行の監督
決議事項
取締役会での決議事項の例は以下の通りです。
- 社債や募集株式、新株予約権の発行
- 株式分割
- 株主総会の招集
- 代表取締役の選定・解職
- 準備金の資本組入れ
- 重要な財産や人事の処分
- 内部システムの整備や支店の変更など
決議は取締役の過半数が出席し、出席取締役の過半数の賛成(頭数の多数)で決定します。
取締役は株主とは異なり、代理人の投票は認められていません。
さらに、決議内容に利害関係を持つ取締役は投票してはいけません。
議事録は10年間、本店に備えおく必要があります。
代表取締役


代表取締役とは、対外的に会社の代表として行動する取締役です。
取締役会設置会社は代表取締役が1人以上必要で、取締役会で取締役の中から選定します。
株主総会や取締役会の決議を行うなど、会社の業務執行を行います。
会社の業務に関する一切の行為について権限を持ちます。
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